鹿・あはれをば

しぐれに

●現代語訳●
このもの哀しさをどうしろといって、
伏見の菅原の夕暮れ時に、
鹿は鳴くのだろうか

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ただでさえこんなにもの哀しいセッティングなのに、 というニュアンスがこめられているようなので、 伏見の菅原の暮れは寂しいものなのでしょうね。 貴族の山荘なんかがある場所らしいのですが。

平安人は哀しがり。 そして「こんなに哀しくさせて、どうしろっていうの??」と大自然に問いかける傾向が見受けられます。
忠度集にも

さらぬだに秋のね覚はかなしきをいかにせよとか鹿のなくらむ

という歌があり、歌の心が似ていますね。
経正のこの作品、当時の和歌の常套手段にならった習作的な一首といえるでしょうか。

鹿の鳴き声は、昔、鹿公園に行ったときピーピー(というかチーチー)鳴いてたので。

…あー!!今気づいたけど、これ夜になってる!暮れじゃない!
すみません!!(逃亡)
(2008/02/28)

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