●現代語訳●
(花が散ることの)責めは風にばかり負わすものであろうか(いや、そうではない)
人の心と花は、もともと移ろうものなのだから
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桜の散るのを、風のせいにしてブウブウいうけど、どうなのよ。
というような、ちょっぴりひねりが加わった一首のようです。
うつろいやすいものに心をあげてくるところが、意味深ではないですか。
毎回有教くんのコメントが、私の感想と思っていただければ(笑)
ひとひねりはありますが、時間空間ともに広がりがないのはちょっと残念。
まあそのへんは好みですね。
俊成の私家集『長秋詠藻』に
櫻花思ふあまりに散ることの憂きをば風におほせつる哉
という一首がありました。
花の散るのを風のせいにしてしまうという題材は多く詠まれているようです。
散る桜の歌で最近のお気に入りは、忠度。
をしみかねちる花ごとにたぐふれば心も風にさそはれにけり
花に添わせた私の心までも風にさそわれて飛んでいってしまったよ、というような歌。
やっぱり広がりがあるんだよな〜
…がんばれ経正!!
(2008/03/14)