恋・あひもみば

恋・あひもみば

 あひもみば厭ひもすべき鶏の音をいく夜かよそに聞きあかすらん

●現代語訳●
あなたと共寝していたならば、暁の別れを告げる鶏の声がさぞかし憎かったと思うよ
でも今夜も一人寝の僕にはまるで他人事だ、こんな夜がいく夜つづいているのだろうね

・・・

経正さま恋のうた。一人寝でも鶏の声が聞こえるまで起きてるんですから、平安人お得意の物思いってやつですね。孤独だなあ…とかボーッとしているうちに明け方になって、今夜もまた無為にときをすごしてしまったという、恋をしていない空虚な時の流れを感じます。激しい恋の歌とはまたちがった趣でいいですね。
ちょっと現在推量の「らむ」をどう訳していいのかわからず放置してしまいましたが、もしかしたら、僕もあなたも、ということなんでしょうか。
漫画の方は女っ気もなく夜更かしして遊ぶ経正と有教にしてみました。
(2011/08/12)

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